野菜の栽培記録アプリは、種まきの日、追肥のタイミング、収穫量といった畑の出来事をスマホに残し、翌年の栽培に生かすための道具です。去年のトマトはいつ脇芽をかいたのか。きゅうりの収穫が落ち始めたのは何週目だったのか。記憶は案外あてにならず、手帳は泥で汚れて続かないものです。このランキングは、ベランダのプランターから市民農園、自宅裏の小さな畑まで、自分の栽培を写真と数字で振り返りたい人のためにまとめました。
比べたのは、毎日の手入れに無理なく組み込めるかどうかです。まず入力の手間を見ました。アイコンをタップするだけで済むのか、音声で話すだけでいいのか、写真を撮れば終わるのか。そのうえで、作業予定の登録と通知、収穫量の集計、区画図や連作の管理、機種変更したときのデータの引き継ぎ、無料で使える範囲と有料プランの中身、対応OS、更新が続いているかを確認しました。対象は日本語で使えて、野菜づくりの記録を主な目的にしたアプリとWebサービスです。汎用の日記アプリ、観葉植物の水やりリマインダー、農業法人向けの営農管理システムは外しています。
順位はProoffeedのコミュニティの投票で決まり、編集部は並び順に関わりません。各カードでは長所と短所、実際に使った人のレビューを確かめてください。高機能なアプリほど良いとは限りません。記録は続いてこそ意味があります。自分の手と性分に合う入力方法を選べば、野菜の栽培記録アプリは三年目あたりで本当の実力を見せてくれます。
菜園ナビは、草刈機や耕運機で知られる農機メーカーのオーレックが運営する家庭菜園SNSです。作物ごとに写真と文章で栽培日記をつけられ、予定と実績を登録しておくと、予定日が近づいたときに画面で知らせてくれます。2019年初めの時点で登録者は2万人を超え、そのうち約37%が55歳以上でした。Q&A掲示板や野菜の育て方コラムのほか、栽培コンテストやオフ会の企画もあります。スマホからは、写真投稿に絞った「菜園ナビ記録ツール」アプリ(iOS・Android)で手早く記録できます。
経験者に質問したい人、他の人の畑を見て学びたい人に向いています。日記に「コメントを募集する」を付けて投稿すると、ほかのユーザーから助言をもらえます。ただし記録ツールアプリだけでは完結しません。作物の登録やコメントの確認は本体サイトで行うので、ブラウザとの併用が前提です。誰にも見せない日記を黙々とつけたい人には、SNSの作りがかえって落ち着かないかもしれません。
畑らく日記は、千葉県木更津市の株式会社イーエスケイが開発した栽培履歴の記録サービスです。いちばんの特徴は音声入力で、作物名、作業内容、数量、単位を話すだけで記録が残ります。スマホで撮った写真を添付でき、記録した地点の天気も観測データとして自動で残ります。カレンダーでは4年前までの記録を並べて比べられ、データはExcelにダウンロードして帳票に加工できます。他のユーザーとの共有機能もあります。無料版と有料版があり、現在はダウンロード型のアプリからWebアプリへの移行を進めていて、Web版はスマホで使いやすいデザインに一新されました。
想定しているのは専業農家から兼業農家、市民農園や家庭菜園の利用者までと幅広い層です。手袋をしたまま、泥のついた手で記録したい人には音声入力がよく効きます。一方で、使い始めるにはユーザー登録の申請が必要です。画面も業務向けの項目が多く、プランター数鉢の記録には大げさに感じるでしょう。
べじログは、家庭菜園の「予定」と「記録」を一つにまとめたiPhone向けアプリです。水やり、追肥、病気、虫害、発芽、剪定はカテゴリ別の専用フォームで記録し、その日に同じ作業をした野菜はまとめてチェックできます。収穫数は野菜ごと、日ごとに入力でき、合計と推移がグラフになります。年ごとのまとめもあり、今年と去年の収穫数を並べて比べられます。通知は「翌日」と「当日」の二種類で、予定がある日にだけ届きます。予定は2週間ごと、毎月といった繰り返しにも対応しています。
毎年同じ野菜を育て、去年の自分と比べたい人に向いています。収穫の数字が積み上がる画面は、地味な手入れを続ける張り合いになります。無料版で記録できる野菜は10種類までで、プレミアムにすると上限が50種類に増え、広告も消えます。個人開発のアプリで公開から日が浅く、アップデートは頻繁ですが、長く使った人の評価はまだ多くありません。
Farm Recoは、写真、日記、平面図の三つで畑を記録するアプリです。畑の画面に畝や作物を自由に配置し、いつ、どこに、何を、どれだけ植えたかを図として残します。過去の配置が平面図のまま保存されるので、連作になっていないかの確認や、次に植える場所の検討に使えます。日々の様子は写真とテキストで記録し、区画の図とひもづけておけます。基本無料でアプリ内課金があり、iPadにも対応しています。
畝が何本もある市民農園や、庭の一角を季節ごとに回している人には、文字の記録より図のほうがずっと早く状況をつかめます。人に畑を見せるときも、どこに何があるかを図で示せます。反対に、プランターが数鉢だけなら平面図は持て余すでしょう。最初に畑の形を描き起こす手間もかかります。配信はApp Storeのみです。
菜園プランナーは、家庭菜園の計画、管理、記録をまとめて扱うiOSアプリです。開発者が「四次元レイアウト」と呼ぶ仕組みが中心にあり、マス目で畑を設計したうえで、日付スライダーを動かすと特定の日の畑の姿を再現できます。栽培期間が重ならないマスには別の野菜を入れられるので、一年を通じて区画を無駄なく使う計画が立てられます。「栽培タイムライン」では、配置が変わるタイミングをサムネイルで一覧できます。連作管理も備えていて、同じ科の野菜が連作を避けるべき期間内に植えられていた場所に配置すると、アラートが出ます。この機能はオフにもできます。
限られた面積で春夏と秋冬の作付けをやりくりしたい人、ナス科やアブラナ科の連作に悩む人に向いています。機能は豊富ですが、日付を軸にした操作は慣れるまで少し頭を使います。対応はiOSのみで、公開されたばかりなのでレビューの蓄積はこれからです。
その名の通り、野菜の栽培履歴を残すことだけに徹したAndroidアプリです。作者は市民農園一年生で、自分で設計し、プログラミングはプロに依頼したと説明しています。広告も課金も一切ありません。種まきから収穫までの作業内容と収穫量を文章と写真で保存でき、栽培開始から何日目に何をしたかが一目で分かります。未来の日付でも入力できるので、収穫予定や定植、追肥といった次の作業をメモしておけます。収穫のたびに量を入れると累計が一覧になり、収穫が終わった記録も終了済みデータとして残ります。
入力画面は二つだけです。品種名と開始日を登録したら、あとは毎日の作業を書き足していきます。機能の多さに疲れた人には、この潔さがありがたいはずです。一方で、育て方の情報や交流機能はなく、通知やカレンダー表示についても説明がありません。iPhoneでは使えません。
草木帖(そうもくちょう)は、植物を育てるためのカレンダー形式の日記帳アプリです。作業記録と日記を別々に入力する仕組みで、水やりや追肥といった事実の記録と、芽が出た日の小さな喜びとを分けて残せます。日記は1日に何度でも投稿できるので、朝の見回りと夕方の水やりをそれぞれ書き留められます。ガーデニングや盆栽、園芸全般を想定した作りで、野菜に限らず庭の花や鉢植えも同じアプリで管理できます。iPhone版とAndroid版があります。
畑の野菜とベランダの花を一冊の帳面にまとめたい人、カレンダーで一か月を見渡すのが好きな人に合います。名前の通り和の趣があり、日記を書くこと自体を楽しめる作りです。ただ、収穫量の集計や連作の管理といった野菜向けの機能はありません。数字で翌年の計画を立てたい人には物足りないでしょう。
野菜栽培図鑑は、自分で野菜を育て始めたときに整理すべき情報の多さに困った作者が作ったAndroidアプリです。無料で、ユーザー登録もいりません。約150種類の植物情報を収録した図鑑が土台にあり、住んでいる地域に合った植え付け時期を表示してくれます。そこに作業予定を書き込めるカレンダーとリマインダー、栽培記録の機能が加わり、調べることと記録することが一つのアプリで済みます。最近のアップデートでは写真が多くてもメモリを使いすぎないよう改良され、追加した野菜の画像などをまとめて見られるページもできました。
何をいつ植えればいいのか、まだ体で覚えていない初心者にとって扱いやすい構成です。記録は図鑑を引くついでに書き足す位置づけなので、収穫量の集計や区画の管理まで求める人には簡素に映ります。交流機能はなく、iPhone版の配信は確認できません。
菜活は、市民農園やプランターで育てる野菜の成長と作業内容を記録するiPhoneアプリです。2013年11月にLibra Plusから配信が始まりました。日誌の投稿は、HOME画面の"じぶんの日誌"から日誌を選び、作業アイコンをタップして"入力完了"を押すまでの5ステップで済みます。あとから写真や野菜の状態、虫や病気などのアクシデントを書き足すこともできます。野菜の育て方と栽培カレンダーは、園芸書やテレビでおなじみの藤田智さんが監修しています。ほかのユーザーの記録を読める"みんなの日誌"には、共感を伝える"だねっ!"ボタンがあります。同じトラブルの記録を条件で探せる"アクシデント検索"もあります。
手が土だらけの畑でも、アイコン中心の入力なら短時間で記録できます。長い文章を打つのが面倒な人に向いています。虫がついたときに先輩たちの対処法をすぐ探せるので、初めて夏野菜を育てる家庭には心強いはずです。一方で、区画図や連作の管理、収穫量のグラフといった機能はアプリの説明にありません。畑のレイアウトまでまとめて管理したい人には物足りないでしょう。配信から10年以上たつアプリなので、手持ちのiPhoneでの対応状況や最近の更新は、ストアのページで確認してから使い始めると安心です。
めでた!は、東京都板橋区のソフトウェア会社Altive株式会社が2024年4月1日に配信を始めた、家庭菜園の成長記録アプリです。iPhoneとAndroidの両方に対応していて、ダウンロードは無料です。動作環境はiOS 12.0以降、Android 5.0以降なので、少し前の端末にも入れられます。菜園の様子を撮影して短い日記を添えるのが基本の使い方で、菜園やプランターが複数あっても分けて記録できます。撮りためた写真はアプリの中でつなげてタイムラプス動画にでき、種まきから収穫までを動画のように見返せます。ほかのユーザーの日記を見ることもできます。
写真で残すことが中心なので、子どもと一緒にミニトマトやラディッシュを育てる家庭に向いています。芽が出た日から毎日同じ角度で撮っておけば、夏休みの自由研究にそのまま使えそうな記録になります。ただ、肥料の量や収穫した重さを数字で管理して年ごとに比べたい人や、区画ごとに連作を確認したい人には機能が足りません。作業予定の登録や通知についても、公式ページに案内はありません。仲間との交流機能やアプリ内のTipsは、今後のアップデートで広げる計画だと発表されています。