つわりで外に出るのがつらい。夜になって痛みや出血が気になる。健診の日まで待てない疑問がたまる。妊娠中はこういう場面が続きます。妊婦向けオンライン診療サービスは、自宅からスマホで産婦人科医や助産師につながる仕組みです。初めての妊娠で不安が多い人、上の子がいて病院に行きにくい人、里帰りで通院先が変わる人、仕事を続けていて平日の受診が難しい人を想定してこの一覧をまとめました。エコーや採血は画面越しにできませんが、薬の相談や体調の確認、産後の授乳の悩みなら画面越しでも十分に間に合います。ここに集めたのは、産婦人科医や助産師が実際に対応している国内のサービスです。
選ぶときに見た点は五つです。まず費用。保険診療か自費か、通信費や薬の配送料が別にかかるのかを確認しました。次に対応時間。24時間受け付けるところ、平日の夜だけ枠を開けるところ、土日祝も予約できるところがあります。三つ目は話す相手。産婦人科医が出るのか、助産師が時間をかけて聞くのかで内容が変わります。四つ目はできることの範囲。処方箋まで出る「オンライン診療」と、診断や処方をしない「遠隔健康医療相談」はまったく別物なので、両方を並べたうえで区別を書きました。五つ目は薬の受け取り方と、住んでいる自治体や勤務先が導入していて無料になるかどうか。運営会社の設立年や導入施設数も、サービスが続くかどうかの目安として見ています。派手な宣伝より、料金表と対応時間がはっきり書いてあるかを重視しました。相談の形もそろえていません。ビデオ通話、電話、チャット、LINEのどれで話せるかは人によって使いやすさが変わるためです。
順位は編集部が決めていません。決めるのは使った人の投票です。気になるサービスは、カードの中の長所と短所、それに実際の口コミまで読んでから選んでください。同じ料金でも、夜の対応や返信の速さ、担当が毎回変わるかどうかで満足度は変わります。妊婦健診そのものは対面が基本で、オンラインは間の不安を埋める道具だと考えると期待を外しません。強い腹痛や大量の出血、頭痛や目のかすみなど緊急の症状のときは、オンラインを待たずにかかりつけか救急へ連絡するのが先です。無理をしない使い方が、結局いちばん安全です。
株式会社Kids Public(2015年12月設立)が運営する遠隔健康医療相談です。産婦人科医と助産師が、妊娠中の体調、薬の心配、出産の準備、産後の授乳まで話を聞きます。夜間相談は平日18時から22時で1枠10分の予約制、最短15分後の枠から取れます。24時間受け付ける「いつでも相談」もあり、平日13時から17時は予約なしで助産師とLINEのチャットができます。医師と助産師が作った相談事例は4万件以上公開されていて、似た悩みを検索できます。姉妹サービスの小児科オンラインと同じ会社です。相談は動画通話とメッセージチャットのどちらでも選べます。サービス代表は産婦人科医が務め、会社の所在地は東京都千代田区神田美土代町です。
自治体や企業が導入していれば、その住民や従業員は合言葉を入れて無料で使えます。導入先がない場合は個人で気軽に入れる形ではないので、まず自分の市区町村や勤務先の福利厚生を確認するのが早い道です。診断も処方もしないため、薬が必要な症状や検査が必要な状態は結局受診になります。健診の合間の不安を言葉にして整理したい人に向いています。練馬区のように、自治体が母子保健の相談窓口として委託している例もあります。
株式会社じょさんしGLOBAL(2019年1月設立、愛知県刈谷市)が運営する助産師のオンライン相談です。24時間の相談受付を軸に、産前産後のセミナーや講座も開いています。相談はビデオ通話で、時間を取って話を聞くのが基本の形です。妊娠期から生後1歳半までを続けて支える「ONLINEバースパック」では、専属の助産師が付いて期間中いつでも相談できます。海外在住でも時間帯を合わせて使えるのが、この会社が最初から掲げてきた特徴です。掲げているのは「世界のどこにいても安心して妊娠出産育児ができる社会」で、法人向けのセミナーや福利厚生としての提供も行っています。
出産前の準備、体重管理、母乳やミルクの悩みなど、病院では聞きにくい細かい話に向いています。医師の診療ではないので、薬の処方や検査の指示は出ません。個人が自分で申し込む有料サービスが中心です。同じ人に続けて見てもらいたい、毎回説明をやり直したくないという人には合いますが、その場ですぐつなぎたい急ぎの用途には向きません。予約は2021年に外部サイトから自社の公式サイトへ移り、講座の申し込みも同じ場所にまとまりました。
株式会社アナムネが運営するオンライン診療と医療相談のサービスです。24時間365日、女性医師がチャット形式で相談に答える窓口があり、婦人科や妊娠中の悩みを文字で送れます。オンライン診療は特化型の外来が分かれていて、大手薬局と提携して薬の受け取りまでつながります。会計は事前に登録したクレジットカードから、診療費とオンライン診療手数料が自動で引き落とされる仕組みです。ひとつのアカウントで家族の予約も取れます。会社は東京都中央区日本橋にあり、疾患別のコミュニティサービスも運営しています。大手薬局のクオールとの提携で、薬を受け取れる窓口が広がりました。オンライン医療相談は女性医師が対応する体制で、深夜でも受け付けています。
文字でやりとりできるので、電話やビデオ通話が苦手な人、日中に声を出しにくい職場にいる人でも使いやすいです。相談は診断ではなく、判断が必要なときは診療や受診の案内になります。妊婦健診やエコーは対象外で、あくまで通院の間を埋める役です。担当する医師は日によって変わるため、同じ人に続けて見てほしい場合は物足りなく感じることがあります。カメラやマイクがつながらないときは、画面のチャットからスタッフに聞けます。
株式会社MICINが2016年に始めたオンライン診療アプリです。サービス自体は医療機関向けで、患者はかかりつけの産婦人科がクロンを導入していれば、そのまま同じ先生の診察をスマホで受けられます。導入施設は2019年7月末時点で約1500施設と発表され、その後も増えています。保険診療にも対応し、処方箋は指定した薬局へ送信できます。患者の負担は診療料に加えてシステム利用料が300円からで、医療機関側は初期費用と月額が無料です。医療機関側の負担は患者自己負担額の4%の事務手数料だけで、使わない月は費用ゼロという設計です。日本生命の医療保険の付帯サービスや、J:COMとの協業でも採用されました。
強みは、新しい医師を探さずに済むことです。妊娠中は経過を知っている医師に聞くのが一番安全なので、通院先が入れているなら選ぶ理由になります。逆に導入していなければ使えません。初診は対面のみとする産婦人科が多く、オンラインで受けられる内容も医師の判断次第です。ピルや体調の相談を扱う一方、健診は対面という運用が一般的です。2016年のリリース以降、産婦人科を含む幅広い診療科で使われてきました。
ジェイフロンティア株式会社が運営するサービスで、オンライン診療、オンライン服薬指導、処方薬の配送までを一つのアプリでつなぐのが売りです。東京23区や横浜、名古屋、大阪、福岡市内などでは処方薬の当日配送に対応し、それ以外の地域には全国一律440円の翌日配送を用意しています。当日16時までに服薬指導を終えれば、翌日中に薬が届く形です。医療機関や薬局は初期費用と月額費用なしで導入でき、提携先が全国に広がっています。運営会社は2008年設立の上場企業で、本社は東京都渋谷区。2025年にはペットのオンライン診療機能も加わりました。予約機能は医療機関へ無料で提供され、対応する診療科は内科から婦人科まで広がっています。
薬をなるべく早く手元に置きたい人、外出を控えたい時期の人には向きます。婦人科の窓口もあり、体調や薬の相談から処方までを在宅で済ませられます。注意点は、妊娠中に使える薬が限られることと、配送料が毎回かかること。当日配送のエリアは都市部が中心で、地方では翌日以降になります。医師を指名する仕組みは基本的にないため、継続して同じ医師に見てもらいたい場合は通院先のシステムを使う方が確実です。
株式会社ファミワンが運営する、LINEを使った妊活と妊娠の相談サービスです。不妊症看護認定看護師、臨床心理士、培養士、助産師などの専門家チームが対応し、産後や子育ての相談にも応じます。利用の流れは、まずチェックシートに回答し、内容を見た専門家が通常3営業日以内にアドバイスを返す形です。その後はテキスト相談と通話相談を選べます。2018年9月から法人と自治体向けの提供を始め、福利厚生や自治体事業として無料で使える枠も広がっています。会社は卵巣年齢のセルフチェックキットや子宮内フローラの検査キット、妊活用品のECサイトも手がけています。自治体向けにはプレコンセプションケアの窓口としても提供され、相談は妊活だけに限りません。
妊活から妊娠、産後まで同じ窓口で相談を続けられるのが利点で、匿名で聞けるので職場や家族に知られたくない話も出しやすいです。医師の診療ではないため、処方や検査の指示は出ません。LINEのトーク上では相談を受け付けず、マイページにログインする手順が必要です。返信は即時ではないので、今すぐ答えが欲しい場面には向きません。相談履歴が残るので、後から見返せます。
救急往診とオンライン診療を組み合わせた医療プラットフォームです。内科と小児科は年中無休の24時間対応、そのほかは地域の診療所が閉まる夜間を中心に、婦人科や精神科などを含む複数の窓口が動いています。提携する常勤医と非常勤医は3500名以上で、離島を除く全国が対象です。診察の前に診療前相談があり、オンラインで対応できるか医師が判断します。支払いはクレジットカードとコンビニ後払いに対応し、後払いを選ぶと手数料277円が加算されます。窓口は花粉症や後遺症などの特化型を含めて11あり、本社は東京都渋谷区恵比寿。自治体の地域医療支援も請け負っています。受診するか迷ったときのセルフチェックで、緊急度と向いている窓口を確認できます。
妊娠中に夜間の発熱や体調不良が起きたとき、朝まで待つか迷う場面で使えるのが強みです。ただし産科の専門診療ではないため、妊娠に関わる症状は対面での受診を案内される場合があります。オンラインで診療を行わないと判断されたときは診療費が請求されない点は良心的です。かかりつけの産婦人科の連絡先と併せて、夜間の控えとして住所と支払い方法を先に登録しておくと慌てません。
東京の外苑前にあるクリニックで、NIPT(新型出生前診断)と遺伝子検査を専門にしています。臨床遺伝専門医である女性院長が診察から結果説明まで担当し、オンライン診察に対応しているため全国から受けられます。流れは、オンラインで遺伝相談と説明を受け、採血は自宅の近くの連携クリニックで行う形です。基本の検査項目は13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーに性染色体の異数性を加えたもので、土日祝も予約を受け付けています。外苑前駅から徒歩2分の立地で、結果は10日から2週間前後で通知され、受け取り方は来院、郵送、マイページから選べます。国内で独自のコースを扱っている点も知られていて、調べられる項目の幅は広めです。
検査を受けるか迷っている段階の相談にも向いていて、専門医が最初から話を聞くのが他院との違いです。費用は自費で、検査の種類によって幅があります。項目が多いので、何をどこまで調べるかは相談しながら決めることになります。妊婦健診や一般的な産科診療は行っていないため、通院先は別に必要です。採血の日程調整という手間が残る点も、申し込む前に頭に入れておくべきところです。検査前に費用の総額を確認しておくと、後で驚きません。
東京都港区北青山2-7-25 神宮外苑ビル1号館2階
生理管理アプリのルナルナを手がけるエムティーアイが、産婦人科と婦人科に的を絞って組み上げたオンライン診療の仕組み。患者側は専用アプリを入れずブラウザから予約し、ビデオ通話で受診、支払いはクレジットカード、処方薬や処方箋は自宅へ届く。ルナルナに記録した基礎体温や生理周期を医師の画面に共有できるので、妊娠初期の経過や産後の体調を毎回口頭で説明し直す手間が減る。導入先は個人クリニックから総合病院まで広がり、妊婦健診の合間の相談枠や、授乳とメンタルの産後相談枠を設ける施設もある。
かかりつけの産科がこの仕組みを入れているなら、使う価値は大きい。逆に対応施設の一覧から選ぶ形なので、住んでいる地域に導入院がなければ話が始まらない。初診は対面が原則という施設が多く、出血や強い腹痛は電話か受診が先。予約料やシステム利用料が保険外で別途かかる施設もあるため、料金表の確認だけは先に済ませておきたい。
香川大学発のメロディ・インターナショナルが高松市で手がける周産期の遠隔医療。中核は、タブレットで胎児心拍と子宮収縮を測るモバイル分娩監視装置iCTGと、その波形をクラウドへ送る診療プラットフォームMelody i。妊婦が自宅や近くの助産所で装着した記録を、離れた場所の産科医がその場で読める設計になっている。産科が撤退した地域、離島、里帰り出産中の健診、切迫早産で自宅安静中の経過観察といった場面で使われ、海外の母子保健プロジェクトにも入っている。個人が直接申し込む形ではなく、医療機関や自治体、企業の福利厚生を通じて貸し出される。
通院に片道一時間以上かかる、近くに産科医がいないという妊婦には現実的な選択肢。ただし機器の扱いには数回の指導が必要で、胎児の位置を自分で探す作業に不安を覚える人もいる。エコーや採血、内診の代わりにはならず、対面健診と組み合わせる前提の道具。使えるかどうかは医療機関側の導入状況で決まる。