月や惑星をもっと大きく、星雲をもっと鮮やかに写したい人向けに、天体撮影用CMOSカメラを比べた一覧です。3万円台の惑星用から20万円を超える冷却APS-C機まで、日本で今買えるモデルだけを集めました。天体用カメラはどれも似たような円筒形で、型番も英数字の並びなので、どれが何に向くのか見分けにくいジャンルです。月と惑星を高速で連写したいのか、淡い星雲を何時間もかけて撮りたいのか、電視観望で星をリアルタイムに眺めたいのか。目的によって選ぶ一台はまったく変わるので、候補を絞るときの地図として使ってください。
候補選びではまず搭載センサーを確認しました。ソニーのIMX585、IMX533、IMX571、IMX662、IMX678は型番が同じなら基本の写りが近く、差が出るのは冷却の有無、ノイズ対策、付属品、そして値段です。そこで画素サイズとセンサーの大きさ、読み出しノイズ、アンプグローの有無、冷却できる温度幅、12V電源が必要かどうかを並べて比べています。もうひとつの条件が買いやすさで、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、または国内の天文ショップで新品が手に入り、日本語の情報が揃っているモデルに限りました。
順位はProoffeedユーザーの投票で決まり、編集部が並べ替えることはありません。各カードにはセンサーと冷却の仕様、良い点と気になる点をまとめています。まず手持ちの望遠鏡の焦点距離と予算に合う数台に絞り、実際に使った人のレビューを読んでから決めると失敗が減ります。使ってみた感想があれば、一票と一緒にぜひ書き込んでください。
ZWOの冷却カラーカメラで、星雲や銀河を撮る人の間では定番として名前が挙がることの多いモデルです。センサーはソニーのAPS-CサイズIMX571で、約2600万画素、画素サイズは3.76μm。ネイティブ16bitのADCに約1.0eの読み出しノイズ、アンプグローを抑える回路を組み合わせています。センサー窓の結露を防ぐヒーターと傾き調整プレートも標準装備。2025年には読み出し速度が上がり、表面がマット仕上げになった新バージョンに切り替わりました。国内通販での定価は25万円台です。
明るい屈折望遠鏡やRASA系の鏡筒で、広がりのある星雲をじっくり撮りたい人向けです。APS-Cの画角を四隅まで活かすには、フラットナーやレデューサーの性能も問われるため、光学系の見直しとセットになりやすい点は覚えておきたいところ。1枚あたりのファイルが大きく、スタック処理にはそれなりのパソコンが必要です。冷却には12V電源が欠かせないので、遠征ではバッテリーの準備もお忘れなく。
1インチの正方形センサー、ソニーIMX533を載せた冷却カラーカメラです。解像度は3008×3008の約900万画素で、画素サイズは3.76μm、14bit ADC、読み出しノイズは約1.0e。外気温より最大35℃まで冷やせて、アンプグローのない画像が得られます。正方形なので、撮影後に縦でも横でも好きな構図に切り出せて、カメラの回転角度にあまり神経質にならずに済むのがうれしいところ。米国での実売は799ドル前後です。
初めての冷却カメラとしてよく選ばれるタイプで、焦点距離400から600mmほどの小型屈折と組み合わせると、多くの星雲がちょうどよく収まります。逆に、アンドロメダ銀河や北アメリカ星雲のような大きな対象ではモザイク撮影が必要です。国内では天文ショップ経由で購入するのが中心で、入荷待ちになる時期もあるため、在庫と納期は注文前に確認しておくと安心です。
ソニーの1/1.2型センサーIMX585を冷却ボディに収めたモデルです。4K相当の3840×2160、約829万画素で、画素サイズは2.9μm。STARVIS 2世代の高感度センサーで、近赤外域にも強いのが持ち味です。国内通販での定価は約10万円。販売店の案内によると、12Vの電源を供給しないとパソコンからも認識されず、DC12Vケーブルは付属しません。購入時は電源まわりも一緒にそろえておきましょう。
センサーがやや小ぶりなので、系外銀河や惑星状星雲など小さめの対象を、シュミットカセグレンのような長焦点の鏡筒で大きく写したい人に向いています。冷却カメラを試してみたいけれどAPS-C機は予算オーバー、という人の最初の一台にもなります。反対に、広い星雲を一枚で収めたい人には画角が足りません。
ASI485MCの後継にあたる非冷却カメラで、センサーは上位のPro版と同じIMX585です。約829万画素、画素サイズ2.9μm。冷却機構がないぶん軽くて、USB 3.0ケーブル1本で動かせる手軽さがあります。楽天市場の天体望遠鏡ショップでは定価72,400円で、3年保証と初期不良60日対応が付いていました。
月や惑星の動画撮影、太陽フィルターを使った太陽撮影、電視観望まで、これ1台でいろいろ遊べる万能型です。明るい星雲なら短時間露出の積み重ねでそれなりに写りますが、夏場の長時間露光では熱ノイズが増えてきます。星雲撮影を本格的に続けるつもりなら、最初からPro版を選ぶほうが二度買いを防げます。
ソニーIMX678を積んだ非冷却カラーカメラで、3840×2160の約829万画素、画素サイズは2.0μmと細かめです。画素が小さいぶん、焦点距離がそれほど長くない鏡筒でも木星や土星を大きめに写せます。実際、直接焦点で見栄えのする惑星像が得られたという国内ユーザーの報告もあります。付属品は31.7mmスリーブとUSB3.0ケーブルなど。国内の定価は約5万円です。
惑星撮影を始めたいけれど、バローレンズで焦点距離を何倍にも伸ばすのは面倒、という人にぴったりです。月面の広い範囲を高精細に撮るのも得意。一方、画素が小さいため光を集める力は大きな画素の機種に劣り、シーイングが悪い夜は細かい画素がかえってボケを目立たせます。星雲を長く撮る用途には向きません。
2022年に登場した惑星用カラーカメラで、人気機種ASI462MCの後継です。センサーはソニーIMX662、1/2.8型で約210万画素、撮像面は5.6×3.2mm、画素サイズ2.9μm。可視光域のピークQEは91%、飽和電荷容量は約37.8keと先代の約3倍に増え、アンプグローも抑えられています。フレームレートは最大107.6fps。国内定価は3万6千円ほどで、ZWOのカメラの中では入口の価格帯です。
木星や土星を高速で連写して、良いコマだけを重ねる撮り方にぴったりの一台です。月や、専用フィルターを付けた太陽にも使えます。センサーがとても小さいので、望遠鏡に付けると対象を視野に入れるだけでひと苦労、ファインダーの調整は念入りに。国内には、短時間で春の銀河を写した作例もあります。
SVBONYの非冷却カラーカメラで、センサーはZWOやPlayer Oneの人気機種と同じソニーIMX585です。1/1.2型で最大解像度は3856×2180、撮像エリアは11.2×6.3mm、対角12.85mm。USB 3.0接続で、オートガイドに使えるST4ポートも付いています。楽天市場の出品では、T2とC/CSマウントのアダプターが同梱。UV/IRカットフィルターとのセット品も用意されています。
同じセンサーを使った他社機より安く買えることが多く、惑星撮影や電視観望をお試しで始めたい人に向いています。オートガイダーとして使い回せるのも便利なところ。ただし、専用ソフトや国内の作例はZWO製品ほど多くないので、設定で迷ったら自力で調べる覚悟が必要です。冷却はないので、星雲の長時間露光は冬場向けと考えておきましょう。
1インチの正方形センサー、ソニーIMX533を積んだSVBONYの冷却カラーカメラです。画素サイズ3.76μm、14bit出力、読み出しノイズは約1.0e。約900万画素を毎秒20フレームで読み出せます。2段のペルチェ素子で外気温より約30℃下げられ、DDR3のバッファメモリも内蔵。メーカーは、先代のSV405CCと比べてアンプグローが出にくい点を売りにしています。
ZWOの同センサー機と比べて価格を抑えやすく、冷却カメラで深宇宙撮影を始めたい人の選択肢になります。メーカー自身がゲインを100以上に設定するよう推奨しているので、低ゲインで撮りたい人は仕様を確かめてから買いましょう。冷却幅もZWO機よりやや控えめで、真夏の遠征では目標温度まで下がりきらないこともありえます。
Player OneのIMX585搭載非冷却カラーカメラです。約840万画素、画素サイズ2.9μmで、STARVIS 2世代のセンサーによりQEは最大約91%。700から1100nmの近赤外にも感度があり、赤外パスフィルターを使った惑星撮影にも向きます。アンプグローを抑える回路を搭載。国内ではサイトロンジャパンが扱っていて、楽天市場やYahoo!ショッピングの販売店でも買えます。
惑星や月の動画撮影、電視観望、明るい星雲の短時間撮影まで守備範囲が広いカメラです。ZWOとは別のメーカーを選びたい人や、国内代理店経由で買いたい人にとっては検討しやすい一台。ただし非冷却なので、じっくり星雲を撮るなら同じセンサーで冷却付きのUranus-C Proと比べてから決めるのがおすすめです。
Uranus-Cと同じソニーの1/1.2型IMX585に冷却機構を足したモデルです。約840万画素、画素サイズ2.9μm、QEは最大約91%で、700から1100nmの近赤外域にも感度があります。ボディには軽くて剛性の高いカーボン樹脂を使っていて、本体質量は約420g。冷却カメラとしてはかなり軽い部類です。国内代理店のサイトロンジャパンは、マイナス20℃まで冷やして4時間露光した星雲の作例を公開しています。
軽さを生かして、小型の赤道儀や短めの鏡筒に載せたい人、冷却カメラを持って遠征したい人に向いています。センサーが小さいので、焦点距離の長い鏡筒で銀河や小さな星雲を狙うのが得意分野。広い星雲を撮りたいならAPS-C機のほうが合います。国内では天文ショップでの取り扱いが中心で、冷却用の12V電源も別に用意が必要です。